【NEWS】学校広報専門誌「図画広報」Vol.3発行 ▶︎

スマホでも学校写真は変わる!広報担当者が覚えておきたい撮影ポイント

学校のホームページやInstagramなどのSNSでは、授業風景、学校行事、部活動、作品紹介など、日々の出来事をスピーディーに発信する機会が増えています。こうした日常の情報発信では、毎回一眼レフカメラを用意しなくても、スマートフォンで十分に魅力的な写真を撮ることができます。大切なのは、ほんの少し「撮り方」を意識することです。

私がスマホ写真撮影講習でお伝えしている基本は、「構図・明るさ・ピント」。今回はさらに、学校行事や修学旅行、校外学習などで役立つ「観光地での撮影方法」も加えてご紹介します。

株式会社KP Life 蔵屋 憲治

構図 ― まずグリッドを表示する

最初におすすめしたいのが、スマートフォンのカメラに「グリッド」を表示することです。画面に縦横の線が入り、9分割されます。この線を目安に、撮りたい人物や物を画面の3分の1付近に置いてみてください。これが「1/3の法則」です。

例えば、生徒が右方向を見ている場合は、生徒を画面の左側に配置して右側に空間をつくる。すると視線の先に広がりが生まれ、写真に動きやストーリーが感じられるようになります。そして「何が主役なのか」を決めることも大切です。授業風景だからと教室全体を均等に写すのではなく、伝えたい生徒や先生を一人決めるだけでも、写真はぐっと伝わりやすくなります。

明るさ ― 主役をタップする

次に意識したいのが明るさです。教室では窓から強い光が入ったり、逆光になったりして、生徒の顔が暗く写ることがあります。そんなときは、画面上の「主役にしたい人物」をタップしてみてください。スマートフォンがその場所にピントと明るさを合わせてくれます。

ポイントは、写真全体を均一に明るくすることではなく、「自分が一番見せたいもの」がきれいに見える明るさにすることです。主役を決め、その主役が一番魅力的に見える明るさを探してみてください。

ピントと距離 ― 自分の足で一歩動いてみる

人物紹介やインタビュー写真では、スマートフォンのポートレートモードも便利です。背景を少しぼかすことで人物が自然に浮き立ちます。ただし、何でも背景をぼかせばよいわけではありません。「この学校の教室で学んでいる」ということを伝えたい場合は、背景もある程度見せた方がよいでしょう。

ここで大切になるのが、被写体との距離です。生徒の表情を伝えたいなら一歩近づく。授業全体の雰囲気を伝えたいなら一歩下がる。スマートフォンのズームだけで済ませず、自分の足で前後に動いてみてください。距離が変われば、写真から伝わる情報も変わります。

校外学習や観光地では「人物より先に背景」を決める

修学旅行や遠足、校外学習などでは、観光地で生徒を撮影する機会も多いと思います。そんなときによくあるのが、まず生徒を立たせてから「どこを背景にしよう」と考えてしまうことです。私は逆に、最初に背景を決めることをおすすめしています。

まず「ここに来たことを何で伝えるのか」を考え、その場所を象徴する建物や風景がきれいに見える位置を探します。次に人物の立ち位置を決め、最後に背景と人物の大きさ・バランスを整えます。つまり、「①背景(何を伝えたいか)を決める → ②人物の立ち位置を決める → ③背景と人物の大きさ・バランスを整える」という順番です。

人物に近づきすぎると、どこで撮った写真なのかがわからなくなります。一方、離れすぎると生徒の表情が見えません。「場所を伝えたいのか」「生徒の表情を伝えたいのか」を考えながら、自分自身が前後に動いて最適な距離を探してみてください。

そして、観光地では有名な建物だけを撮る必要はありません。旅先で何かを発見した生徒の表情、友達同士で笑っている瞬間、先生と生徒の会話など、撮影する自分自身が「いいな」と感じた瞬間にも、ぜひカメラを向けてください。

写真は単なる「行ってきました」という記録ではありません。その場所で生徒たちが何を見て、何を感じ、どんな時間を過ごしたのか。そこまで伝わる写真になれば、学校広報としての価値はさらに高まります。構図、明るさ、ピント、そして距離。技術を少し意識しながら、最後は自分が感動した瞬間にシャッターを切る。そんな一枚が、その学校の魅力を伝える大きな力になると思います。

目次