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【実務ノウハウ/プランナー】ここで過ごしたい。と思わせるWebサイトへ。

※株式会社エクザム プランニングオフィス 井上 祐貴 氏/プランナー

入学後を“疑似体験”してもらう設計

受験生や保護者が学校に関心を持ち、最終的に「ここで学びたい」と思うまでの間、Webサイトにはどんな役割が求められるのでしょうか。
本記事では、受験生の心を動かすWebサイトの設計ポイントについて、具体的に掘り下げていきます。

学校生活をリアルに想像できるコンテンツづくり

学校Webサイトの役割は、情報提供だけではありません。
今、求められているのは「この学校に入学したら、どんな毎日が待っているのか?」を受験生自身が想像できる仕掛けです。

たとえば…

  • 在校生と教職員の日常が垣間見える写真やインタビュー
  • 校舎・教室・食堂などの施設を紹介するギャラリー
  • 学校行事や日常風景を収めたYouTube動画 など

「自分もこの学校で過ごせるかも」と感じられる、具体的でリアルな情報こそが、興味や志望度を高める鍵になります。

訪問後の記憶を“もう一度、呼び起こす”仕掛け

オープンスクールや説明会での感動は、時間とともに薄れていきます。
だからこそ、再びWebサイトを訪れたときにその記憶を補完できるよう、以下のような工夫が有効です。

  • 当日の様子を記録した写真や動画
  • 聞き逃した内容を補足する読み物やコラム
  • 説明会参加者限定の特設ページ

「あの時感じたワクワク」をもう一度思い出してもらえるコンテンツが、出願への後押しになります。

保護者にも“信頼と安心”を伝える

学校サイトは、保護者にとっても学校との最初の接点
たとえば…

  • 教職員や在校生の姿が見える情報
  • 教育方針がわかるインタビューやコラム
  • 生徒一人ひとりを大切にする学校の姿勢が伝わるメッセージ

こうした情報の蓄積が、「この学校なら安心して任せられる」という信頼感につながります。

制作会社と“感覚”ではなく“共有”でつくる

Webサイトの見た目を変えるとき、デザインの好みや流行だけで判断するのは危険です。
大切なのは、「受験生や保護者がどんな情報を求めているか」を制作会社としっかり共有すること。

現場を知る広報担当者が、そのニーズやタイミングを伝えることで、より有効な設計が可能になります。

※株式会社エクザムの学校Webサイト制作事例「学校法人 聖パウロ学園 光泉カトリック高等学校」(スマートフォン表示画面)

ペルソナ分析で“伝える相手”を明確に

制作会社は「ペルソナ分析」を使って、サイト設計を最適化します。
たとえば…

  • 小学校:保護者の職業・家庭環境・悩みを想定
  • 高校・大学:受験生の性格や志望動機を想定

家庭内で誰が意思決定をするのか、どのような期待を持っているのかを明確にしたうえで、誰に・何を・どのように伝えるかを設計します。

こうしたペルソナ設定に役立つのが、日頃オープンスクールや説明会で受験生と向き合っている現場の声。
制作会社との連携で、学校ごとの最適なWebの“かたち”を探っていきましょう。

編集部より

学校のWebサイトは、受験生が何度でも訪れる“体験の入り口”
「情報を並べる」のではなく、「ここで過ごす自分を想像してもらう」
その視点が、これからの広報に求められています。

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