※アド・リング 田中 十升 代表/WEBコンサルタント
数値で把握する仕組みづくり
学校広報において、Webサイトの運営は“つくること”より“どう活かすか”が問われる時代になっています。
受験生がどこで学校を知り、どのタイミングで興味を持ち、いつ出願を検討するのか——。
その流れをデータで可視化し、次の一手につなげることが、広報活動の効果を大きく左右します。
広報の成果は、測ってこそ改善できる
学校のWebサイトは、情報発信だけでなく“広報ツール”としての役割も担っています。
とくに志願者数を増やしたい場合、以下のような**「数値で把握できる仕組み」**が重要になります。
- 資料請求数や説明会申込数
- 出願数の推移
- 学校名検索数やWebサイトの訪問傾向
- 使いやすさの評価
これらを定期的に確認・分析し、次の施策を具体的に考える流れを整えましょう。
検索データで“認知の広がり”を可視化
学校訪問や塾向けPRなどのリアルな広報活動が進むと、学校名での検索が増える傾向があります。
Googleサーチコンソールを活用すれば、学校名の検索回数や検索キーワードの推移を可視化できます。
Webとリアルを連携させて、「広報が届いているか」を定点観測しましょう。
フォーム項目で“広報効果の源泉”を探る
資料請求フォームなどには、以下のような項目を追加すると効果的です。
「どこでこの学校を知りましたか?」
□ Google検索 □ SNS □ 駅広告 □ 紹介 □ その他
どの媒体が志願につながったかを把握できるだけでなく、次に投資すべき施策の判断材料にもなります。
Webサイトの“使いやすさ”も効果に直結
サイトの使いやすさは、有効性・効率性・満足度の3要素で評価できます。
・評価軸:魅力的なメッセージ・進学実績・在校生の声などがあるか
・効率性:情報にすばやくたどり着ける設計か(導線・デザイン)
・満足度:親しみやすく信頼感が伝わっているか
これらを意識したUI設計とコンテンツ整理が、出願率にも直結します。
アクセス解析で精度の高い改善を
GA4などのアクセス解析ツールを使えば、以下のような行動データが取得可能です。
- ページごとの閲覧数・滞在時間・離脱率
- スクロールの深さ、クリック位置
- どこから来て、どこへ移動したかの導線把握
定期的にデータをチェックし、実際の動きに合わせて改善することが、成果につながる広報サイトを育てるポイントです。
編集部より
「とりあえず発信する」から「数字で振り返って、改善する」へ。
効果測定の仕組みがあるかどうかで、学校広報の精度と説得力は大きく変わります。
まずは“測れる仕組みづくり”から始めましょう。